たばこと健康について
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あしあと
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たばこには、ニコチン・タール・一酸化炭素など約5,000種類ほどの有害物質が含まれています。有害物質は肺がんなど多くのがんの危険性を高めるだけではなく、口の中や肺から吸収され全身に広がるため、循環器疾患(脳卒中・心臓病など)、糖尿病、慢性呼吸器疾患などを引き起こします。
喫煙者が吐き出した煙や火のついたたばこから出る煙を周りの人が吸う受動喫煙(二次喫煙)や、たばこを消した後でも部屋や衣服などに残った有害物質を間接的に吸ってしまう三次喫煙でも同様の危険性があります。
たばこを吸う人(喫煙者)は、たばこを吸わない人(非喫煙者)に比べてがんになるリスクは1.6倍で死亡のリスクが1.7倍になります。肺がん、食道がん等様々ながんの原因になっていることが、科学的に証明されています。
たばこの煙は肺の奥まで入り込みやすく、細い気管支が炎症を起こすと(細気管支炎)、咳や痰が多くなります。また、肺の組織が破壊されると、古くなったゴム風船のように弾力がなくなり(肺気腫)、空気をうまく吐き出せなくなって息切れをおこします。このような状態が続くことをCOPDといいます。COPDは加齢や風邪によるものとして見過ごされてしまうことがあります。喫煙者で慢性的な咳、痰、息切れがある方はCOPDの可能性があります。医療機関を受診し呼吸機能検査を受けることをお勧めします。
たばこは、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器の病気、結核などの呼吸器の病気、2型糖尿病、歯周病など多くの病気と関係しており、たばこは予防できる最大の死亡原因であることが分かっています。
近くで他の人が吸っているたばこの煙を吸うことをいいます。たばこを吸っている本人が吸う「主流煙」より周りにいる人が吸う「副流煙」のほうが悪影響と言われています。たばこの煙は半径7mまで到達すると言われています。換気扇の下や空気清浄機があっても、受動喫煙を防止することはできません。
ニコチン:がんや循環器系疾患の発症リスクを高めます。
タール:発がん性物質が数多く含まれています。
一酸化炭素:酸素欠乏状態となり、動脈硬化を促進します。
アンモニア:目やのどの粘膜に刺激を与えます。
紙巻たばこに比べにおいが少ないことから健康被害も小さいことを期待し、紙巻たばこから加熱式・電子たばこに替えることがあります。しかし、それは禁煙したことにはなりません。加熱式たばこは禁煙行動の妨げになるだけでなく、むしろ依存性が高まってしまう人が一定数いるとも言われています。
専用の道具を使って、たばこの葉やたばこの葉を加工したものを電気で加熱し、エアロゾル(霧状)化したニコチンと加熱によって発生した化学物質を吸入するタイプのたばこ製品です。2016年ごろから急速に普及してきました。 主流煙には多くの種類の有害物質が含まれるもののニコチン以外の有害物質の量は少なかったと報告されています。しかし、販売開始から年月が浅いため、長期使用に伴う健康影響は明らかになっていません。
専用カートリッジ内の液体を加熱して煙を発生させ、吸入しています。電子たばこの使用と疾病及び死亡リスクとの関連について現時点では明らかではありませんが、海外では呼吸困難、息切れ、胸痛といった呼吸器症状や嘔吐や下痢などの消化器症状、発熱や疲労などの症状が報告されています。
禁煙は病気の予防だけでなく、病気の重症化予防を期待することもできます。禁煙に遅すぎることはありません。
禁煙を始めたその日から効果があります。
禁煙を始めた20分後から効果が出始め、数日後には味覚・嗅覚が改善し、歩行が楽にあります。2週間から3週間後には心臓や血液循環機能が改善します。
1か月後から9か月後には咳や息苦しさが改善し、感染症を起こしにくくなります。そして、1年も経つと軽度・中等度の慢性閉塞性肺疾患のある人は肺機能の改善がみられるようになります。
禁煙治療は、喫煙を「ニコチン依存症」という病気ととらえ、禁煙外来の受診や禁煙補助薬などの医学的な治療により禁煙をすすめます。2006年6月より健康保険の対象になりました。
禁煙したいと思っている方や喫煙による健康影響などが心配な方などが、身近な薬局で禁煙相談を受けることができます。