たばこと健康~COPD(慢性閉塞性肺疾患)~
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あしあと
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たばこには5,300種類以上の化学物質と70種類以上の発がん物質が含まれています。 脳卒中や心臓病、慢性的な肺疾患、糖尿病、慢性腎臓病など、さまざまな生活習慣病を引き起こすほか、肺がんに限らず多くのがんの原因になります。 これらの病気のリスクは喫煙を開始する年齢が早いほど増加し、またニコチン依存症の程度が強くなり、喫煙本数が増え、禁煙しにくくなることが分かっています。
COPDは、長年の喫煙が主な原因で肺が炎症を起こし、呼吸がしにくくなる病気です。
有害な物質が長期にわたって肺を刺激すると、細い気管支に炎症を起こし(細気管支炎)、咳や痰が多くなります。その結果、気管支の内側が狭くなり、空気の流れが悪くなります。有害物質が肺胞にまで及んで炎症を起こすと、肺胞の壁が破壊され、古くなったゴム風船のように弾力がなくなり(肺気腫)、空気をうまく吐き出せなくなります。このようにCOPDは細気管支炎や肺気腫により、肺の空気がうまく吐き出せなくなり、その結果酸素不足を起こし、息切れを起こす病気です。
「COPDの症状」
COPDによって壊された肺や気管支は、元の元気な状態には戻りません。しかし、治療により息切れなどの症状をやわらげたり、生活習慣を見直すことで病気の進行を遅らせることができます。できるだけ早く、正しい診断・治療を受けることが重要です。
COPDの原因の大部分がたばこによるものであることから、予防のためには禁煙がもっとも重要となります。禁煙の開始が早いと効果も高いですが、何歳からでも効果が期待できるため、できる限り早く禁煙を始めるとよいでしょう。「COPDになってしまったから、もう禁煙しても意味がない」と思う方もいますが、禁煙はCOPD治療においても最優先されることであり、早期のCOPDであれば禁煙だけでも症状がかなりよくなることがあります。
「何度、禁煙しようとしてもできないのは自分の意志が弱いから」と思っているかもしれません。しかし、禁煙できないのはニコチン依存症という病気のためで、意志だけの問題ではありません。担当の医師に相談したり、禁煙外来を利用しましょう。