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あしあと

    令和3年産水稲生産におけるトビイロウンカの防除対策について

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    トビイロウンカの防除対策

    作況指数と品質への影響

     令和2年9月中旬頃より水稲圃場の一部で発生したトビイロウンカによる坪枯れは、瞬く間に町内全域に広がり、中には全面枯れで収穫を断念された農家もあります。トビイロウンカの被害は、西日本を中心に被害が拡大し、収穫量や品質低下など、多大な影響をもたらしました。

     奈良県の米の作況指数は、94で昨年度の101と比較しますと7ポイントの低下となっています。収穫期が早い山間部でのウンカの被害は一部であったこと、奈良県の水田面積率は山間部で30%、平坦部で70%であることを考慮しますと、平坦部では10ポイントの低下と推計されています。なお、奈良県推奨のヒノヒカリの1等米比率は、昨年度が95%でしたが、本年度は88%と低下したところです。


     

    トビイロウンカの防除対策

     トビイロウンカは、6月から7月の梅雨期にベトナム北部や中国南部から南西風により運ばれてきて、稲の株元で生息し、繁殖を繰り返します。稲に甚大な被害をもたらすのは、飛来世代よりも第3世代で、それが増殖するのが9月から10月に当たります。昨年の被害も第3世代のトビイロウンカによるものです。トビイロウンカの被害を軽減するには、飛来時期と生息状況の確認、事前及び適期防除がポイントとなります。また、その年の気象条件も関係しますので十分ご注意ください。

    ○具体的な防除対策

    1 情報のチェック

     都道府県の病害虫防除所が発表する発生予察情報などの病害虫の防除に関する情報をこまめに確認し、地域の発生状況を把握する。

    2 圃場の見回り

     株元のトビイロウンカの増殖を見逃さないように圃場をこまめに見回る。

    3 育苗期の防除

     トビイロウンカに効果の高い薬剤を選択して箱施用剤を施用。

    4 本田での防除(基幹防除)

     多くの地域でいもち病やカメムシ等の防除と併せて出穂期前後に行われていますが、トビイロウンカに効果の高い薬剤による防除。

    5 追加防除

     情報のチェックや圃場の見回りにより、トビイロウンカの発生状況に応じた臨機の防除を実施。

     出穂期以降に防除が必要な場合には、トビイロウンカの生息する株元まで薬剤が十分に届くように、使用する薬剤、散布機を選択する。

     なお、株元への薬剤散布ができない場合には出穂前の粒剤散布を行う。

     ※地域や栽培体系などにより、使用する薬剤など、効果の高い防除体系は異なります。都道府県が発表する情報に基づき、トビイロウンカに対して、より効果の高い防除を実施してください。


     奈良県病害虫防除所ホームページで病害虫発生予報が確認できますので、ご活用いただき被害軽減に努めてください。

    奈良県病害虫防除所のホームページをご覧ください。