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あしあと

    4.仏像としての油掛地蔵

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    仏像としての油掛地蔵

    時代背景

    油掛地蔵は銘文から大永3年(1523年)に造られたとされています。大永3年は、武田信玄や今川義元が生まれたころで、応仁の乱の後、大きく世が乱れていた時期にあたります。

    川西町周辺では、当時の支配層である筒井氏や箸尾氏の勢力が弱まり、永正13年(1516年)に唐院で合戦が起きています。   

    地蔵に対する信仰は、平安時代に中国から伝わったとされています。地蔵菩薩の代表的な経典「地蔵菩薩本願経」には、地蔵のご利益に「疫病にかからない」「水難や火災を免れる」といったものがあり、油掛地蔵の伝承と一致するところがあります。地蔵菩薩に対する信仰と、地域で受け継がれてきた聖徳太子のエピソード、民間療法などの風習が合わさって、他では見られないような珍しい伝承に繋がっていったのではないでしょうか。   

    造りなど

    油掛地蔵の造りは、石製ですが、表面は厚い油の層で包まれて黒光りしています。高さ約65cmの立像で、台座や光背を含めた高さは約152cmとなっています。   

    お堂は、約50年前に建立されたものですが、いつ訪れてもきれいに保たれ、お花が添えられています。

    このことからも、地域の方々にとって大切な存在であることが伝わってきます