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あしあと

    1.油を掛かけて供養や願掛け

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    油を掛かけて供養や願掛け

    油掛地蔵はその名が示すとおり、油を掛けることによって願掛けや供養をするお地蔵さまです。

    油を掛ける意味や起源について、正確なことはまだわかっていません。諸説ありますが、「水害が起きないように油を掛けて願掛けをする(油が水をはじくため)」や「できものが治るように油を掛けて願掛けする」といった伝承が残っています。


    語り継がれている伝承

    約200年前のある日、泥田から引き上げられて祀られた地蔵があまりにも汚れていたので、気の毒に思った村人がきれいに洗い流したそうです。するとその夜、その村人がひどい腹痛に苦しめられたので「何か変わったことはなかったか」と問いただすと「地蔵を洗った」とのこと。もしかするとそれが原因なのではないかと考えた村人たちは、きれいになった地蔵像に泥や油を掛けて、元の汚い姿に戻してみました。すると、これまで苦しめられていた腹痛がすっきり治ったといわれています。

    その後のある日。子どものクサ(できもの)に悩む母親が、地蔵に油を掛けながらお祈りをしてみると、子どものクサが治ったといいます。

    そのようなこともあり、油掛地蔵に油を掛けてお祈りすると、ご利益で皮膚病が治ると伝わっています。

      

    今も油を掛けているの?

    そこで気になるのは、『地元の住民じゃないけどお参りしていいの?』『本当に油を掛けてもいいの?』   『掛けるとしたらどんな油?』といったところ。

    油掛地蔵保存保存会の南浦弘美会長に話を伺ったところ、現在も日常的に油を掛けてお参りされているとのこと。

    「地域外からもお参りも大歓迎です。実際ご利益を求めて多くの方がお参りに来られています。また、この辺はちょうどいい散歩コースにもなっているみたいで、多くの方に親しんでもらっています。当然、『油掛地蔵』なので、今でも油を掛けていますよ。植物性の調理油をお持ちいただいて掛けください。お堂に備え付けている油もご利用いただけますが、ご家庭からお持ちいただくのが、正式な作法らしいです。お地蔵さまの前のコップは、お供えの水を入れるためのものなので、油を入れないでくださいね。」(油掛地蔵保存会・南浦会長)